寄稿者:ふじか (@fujica_30k) 様
※この記事は寄稿者の主観を多分に含んでおります。ご了承ください。
※セットリストはこちら↓
2021年10月9日 TOKYO DOME CITY HALL 18:00開演
昨今のコロナ禍の影響で、2019年10月の【-30k】ファンクラブライブより有観客での開催が行われてこなかった澤野さんのバンド形式のライブですが、この度およそ2年ぶりに開催されました。
会場はLIVE[nZk]004よりおよそ5年振りとなるTOKYO DOME CITY HALL。ステージと観客席との距離が近く、一体感が楽しめる空間にてここ数年溜めに溜め込んだ新作を含む楽曲達がどのように響き渡るか本当に楽しみでした。
今回はこの情勢下ということもあり、スタンディングライブではなく、全席指定の販売方式でした。
17:00より開場となり、全席指定の為か焦るような雰囲気もなく、ゆったりと観客が会場へと吸い込まれていきます。検温と消毒、オンラインチケットの確認後、ドリンクチケットの引き換えをし、会場内へと入ります。
物販ブースやファンクラブでの抽選企画での引き換え場所は賑わっていました。座席は2席ずつの着席の間に1席空席があるようなディスタンス確保の方法が取られていました。
18:00ちょうどに会場は暗転。
いよいよライブが始まりました。
1、『iv』(Introduction)
3月に発売されたアルバム『iv』のイントロダクション楽曲『iv』が会場内に流れ、バンドメンバーがステージに集結。ほどなくして澤野さんがステージに登場。
会場に深々と礼をしてピアノへと向かいました。すでにこの時から、会場内に響き渡る大きな拍手。短い導入ののち、1人目のボーカリストが現れます。
2、『FLAW(LESS)』(Vo.Yosh)
「生きてるか!!TOKYO!!!!」の掛け声とともに響き渡るギターのイントロ。久しぶりに聴く生でのnZkバンドのサウンド。圧倒的な音の渦が全身を包み込みます。笑顔でステージを右へ左へと駆けながら観客を煽っていくYoshさん。コール&レスポンスはこのご時世でできませんが、観客は手を激しく振ってその熱量に応えていきます。泣きの1曲ではないのに、この雰囲気と熱量に不覚にも泣きそうになってしまいました。2年というnZkライブの空白期間を埋めるかのように最高の1曲目となりました。
3、『Barricades〈MODv〉』(Vo.Yosh)
普段と違うイントロを聴いた瞬間、〈MODv〉であると確信しました。コロナ禍でのオンライン企画としてyoutubeにて披露されていた『Barricades』のアレンジバージョン。それぞれの自宅という空間で演奏されていたものが、有観客の会場にて生演奏にて大きく鳴り響きました。こちらのコール&レスポンスの部分も観客が大きく手を横に振って応えていました。
MC
澤「みなさんこんばんは!澤野弘之です!」
「Rョ/MEMBERライブ以来およそ2年振りの[nZK]名義のライブとなります。よろしくお願いします~」
「紹介しましょう~ボーカルYosh!」という流れで話をされていたと思います。
Yoshさんの活動を紹介する場面にて
澤野さんがピアノ演奏で参加したSurvive said the Prophetの『3 A.M.』の話をした際、
澤「ピアノ演奏を担当したAMPM~じゃねーや『3 A.M.』です!」と早速会場を笑わせる場面も。
4、『mio MARE〈2v-alk_v〉』(Vo.Yosh)
鮮やかなメロデイと故郷を想う歌詞、ドラマ『まれ』の劇中歌として使用され、nZk楽曲としてリアレンジされた本楽曲。コロナ禍にて故郷へ帰ることができない人達が故郷へ思いを寄せることも意識して選曲されたんでしょうか?途中の「Home Sweet home~」と投げかけるシーンではYoshさんが会場の観客の聴こえない声に耳を傾ける場面も。声は無くても伝わってくるよ!というジェスチャーに思わず心も熱くなります。Yoshさんのロック魂で観客もあっという間に温まっていました。
5、『A/Z』(Vo.mizuki)
清涼感のあるイントロで会場の世界観を一気に変えていきます。爽やかなメロディと程よいビート感のある楽曲ですが、歌詞はどこか攻撃的で虚しさも感じられます。状況が目まぐるしく変わり、閉鎖的なこの世の中にこの歌詞がとても寄り添うような雰囲気もあります。ちなみに国内での有観客ライブにて本楽曲の演奏は2018年のLIVE[nZk]005以来となりました。
6、『Avid』(Vo.mizuki)
アニメ『86』のエンディングテーマとして、戦場で散りゆく命に寄り添うバラードとして注目を浴びたこの楽曲がようやく生演奏にて披露されました。CD音源ではどこか淡々と歌われる様子に切なさや虚しさを感じましたが、ライブでは一転。心の叫びのように力強く響く歌声に会場は圧倒されたような雰囲気になりました。数々のnZk楽曲を歌ってきた彼女ですが、ここにきて集大成のようなものを感じました。
7、『CRY』(Vo.mizuki)
こちらもようやく生演奏にてお披露目されました。現状に対する嘆きや怒りを投げかけるような歌詞が印象的な本楽曲。その歌詞とは対照的に伸びやかなメロディラインが群衆の心を鷲掴みにしてきます。日本語詞とmizukiさんの歌声の融合はやはりとても良い化学反応を起こし、ライブでは更に化けるものと改めて思いました。
MC
澤「紹介しましょう、ボーカルmizuki!」
今回は演奏中にmizukiさんと目が合ってドキッとしたことや澤野さんの曲を歌うことがとてもハードということ、
さらに『Avid』のMV収録時の話題を出し、高所恐怖症なのに、監督やmizukiさんにいじられて足がすくんだ話をし
「とても素敵な景色でした~」と意味深にまとめるシーンも。
8、『Keep on keeping on〈MODv〉』(Vo.mizuki)
ファンクラブのリアレンジ企画での投票にてyoutubeにて発表され、その後『iv』でも収録されました。ライブでの演奏機会がなかなか少なく、近年は遠ざかっていましたが、今回晴れてリアレンジバージョンが披露されました。スピード感ある伴奏にこちらも伸びやかなmizukiさんの歌声がのります。所々に入る澤野さんのピアノのアクセントも聴いていてクセになります。
9、『Trollz』(Vo.Laco)
衝撃的なカッコよさのPVの発表から2年、オリジナルバージョンも有観客ではようやく初披露となりました。PVさながらロボットのような動きをしながら歌唱するLacoさんには終始圧倒されます。ステージはまるでPVの世界に飛び込んだようなダークな雰囲気に様変わり。音源では入っていないピアノのアドリブからはさらに緊張感を増してくれます。
10、『THE ANSWER』(Vo.Laco)
今回のライブでは数少ないサントラからの選曲となりました。前曲からは一転スピード感あふれるロックを堪能させてくれます。妖艶な笑みをしながら、ステージを行ったり来たり、視覚的にも本当に楽しめました。
MC
澤「紹介しましょう、ボーカルLacoです」
La「Lacoでーす」
歌唱時とはまったく異なる雰囲気のトークに会場もどこか砕けた様子に
澤「Lacoさんにも最近様々な楽曲で参加して頂き、nZk楽曲では『Avid』を歌ってもらいました~」
「あ、違うか!『Handsなんとか』タイトルが長くて覚えてないです笑」
澤野さんがトークしているとどこか上の空なLacoさん
澤「考え事しています?」
La「充電中は顔が死んでるんですよ笑」
そこからはLacoさんのバンドEOWの紹介へ、告知ののちに
澤「PVではセクシーなLacoさん見れます!オッサンは何度も一時停止しちゃいまーす!」
11、『Hands Up to the Sky』(Vo.Laco)
本楽曲の発表時は何の前触れもなく、突如『86』のED曲として披露されて、多くのファンを驚かせた楽曲が満を持して初披露。ダンスミュージックのようなイントロから、明るく希望にあふれたメロディが会場を包み込みます。サビでは思わず手を大きく振りたくなるような解放感。音源をさらに超えてくるようなクオリティに会場も大きな手拍子で応えていました。
12、『NEXUS』(Vo.Laco)
Lacoさんの「へいへいへーい」という掛け声とともに、映画『プロメア』での人気挿入歌が始まります。近年のライブでもすっかり定番となったこの曲は、前曲に引き続きダンスビートで会場を沸かしていきます。LIVE[nZk]006では歌い出しを間違えてしまうトラブルもあったこともファンの記憶にあると思いますが、今回は完璧なクオリティでした。
13、『Bios-LaZaRuS』(Vo.Gemie&Tielle)
2019年の上海ライブでの手ごたえから、英語詞にてリアレンジさた楽曲です。原曲での民族的なアプローチからは雰囲気を変え、よりポップな響きへと装いを新たに変えました。2人のボーカルが入れ替わりながら歌唱をするシーンでは、お互いにバトンを渡していくような仕草が印象的でした。
14、『Felidae〈iv-ver.〉』(Vo.Gemie&Tielle)
ギターのイントロから始まったので多分『〈iv-ver.〉』だったと思われます。CD音源では打ち込みメインのアレンジですが、ライブではバンド要素が加わり大きく雰囲気も変わります。間奏では澤野さんのピアノが独特な和音を奏で、とても耳に残ります。ちょっとジャズの要素も加わったような感じです。最後はGemieさんとTielleさんが口元に手を持っていてハッ!という掛け声とともにチャーミングに終わりました。
MC
澤「紹介しましょう、ボーカルGemie&Tielle!」
「僕ばっかしゃべってるんで、えーっ、お二人なんかありますか?」
Ge&Ti「なんか適当ですね笑」
Tielleさんがお話をしている間、投げキッスを会場へ振りまくGemieさん。
二人とも「ねっ!」と息が合う場面もあり、まるで漫才のような雰囲気に。
Gemieさんが病気復帰後の初ライブであるということを明かし、みなさんに合えてうれしい旨を伝えると
「僕もみなさんに会えてうれしいです~笑」とおどける澤野さん。
Ge「アイドルグループをプロデュースするプロデューサーとなりました!」
澤「僕の敵ですね~」
Ti&Ge「楽しいです!」
澤「僕もです!!」
15、『VV-ALK』(Vo.Tielle)
ライブでの披露もしばらく遠ざかっていたので、この選曲には多くのファンが驚いたと思います。改めてこの楽曲は今の情勢下にもフィットするような雰囲気を持っており、「こんな状況だけど、焦らず歩いてのんびり行こうよ!」という澤野さんのメッセージも含まれていたのではないかと思ったりしました。
16、『Club Ki3ε』(Vo.Gemie)
こちらも衝撃の選曲でした。ライブでは一度きりの演奏のままになっていましたが、ここにきて再び披露。この楽曲も打ち込みがメインですが、ライブだと一変、バンドサウンドが強調されます。Aメロから加わるギターのサウンドが耳に残ります。サビでは頬っぺたにキスサインをしながらステージをくるくると回るGemieさんがとってもキュート。
17、『N0VA』(Vo.naNami)
念願のnaNamiさんの為の書き下ろしの新曲を生で聴けました。こちらの楽曲も原曲では打ち込みが主体だったサウンドが、バンドサウンドへと変貌していました。naNamiさんは澤野さんのピアノ近くに寄り添うように一点に留まったまま、情熱的に歌い上げていきました。時折みせる、手の動きが印象的でした。
18、『Next 2 U -eUC-』(Vo.naNami)
エレキギターの印象的なイントロから始まる本楽曲。この曲ではnaNamiさんがステージを動き回り歌う姿が印象的でした。どこか洋楽の香りがするこの曲は、naNamiさんとの歌声の相性抜群。アウトロでは澤野さんのピアノソロも堪能できます。
MC
澤「紹介しましょう!ボーカルnaNami!」
ここから楽曲『N0VA』の話題へ。
naNamiさんが作詞したということでしたが、歌詞は澤野さんをイメージとのことでした。
さらにPVで蕎麦をテーマにしてしまったために、途中の「NOVA~」と歌唱するところを「SOBA~」と歌いたくなっていまうnaNamiさん
na「リハーサルで途中のNOVA~をSOVAに変えたほうがいいですか?」と訊いたら
澤「そのままでいいです」と返す場面も。
いまだにnaNamiさんに怖い印象を持っている澤野さんは
澤「naNamiさん怖いんですよ~澤野さんすごいですね~なんてステージで言ってても裏では「へッ!!!」って言ってるかもしれないです~」
とコメント。
さらにもうひとりボーカルを呼んでの紹介へ
澤「紹介しましょう!ボーカルAnly!」
ステージに現れたAnlyさんをみて澤野さんが一言
澤「Anlyさん強そうですね笑」
Anlyさんとのトークでは話題が七つの大罪を通じての澤野さんとの出会いについて
Anlyさんが打ち上げ会場で澤野さんに挨拶した際に、無口そうな印象を抱いていたそうですが、実際会ってみると
よくしゃべる方だったという印象へ
澤「すいません、よくしゃべるおじさんで笑」
19、『Tranquility』(Vo.Anly)
8分音符のピアノの音のイントロが印象的にはじまり、ステージには星空が瞬きました。彼女から奏でられる歌声は、まさしくCD音源のような完璧なクオリティ。会場を一気に宇宙空間へといざなっていきました。力強く、パワフルな印象とともに、どこか無邪気さやピュアな要素も持った歌声に会場は酔いしれていました。
20、『Binary Star』(Vo.Anly)
昨年のオンラインライブで披露されたカバー楽曲が、ここでも披露。『銀河英雄伝説』繋がりの作品ですが、こちらは優しく、切なく歌声を紡いでいきます。こちらも壮大な宇宙空間を連想させるバラード。奥行のある世界観と歌声に会場は果てない銀河の果てまで思いを寄せるようでした。
MC
澤「次で最後の曲になります」
澤「あっ、自分で言えばいいのか!えーーーーーーっ!!!!」
澤「ここでバンドメンバーを紹介します。リハーサルの時にどこで紹介しようか考えてなくて…苦笑」
一通り紹介をしたのちに、
澤「紹介します!ボーカル岡崎体育!」
岡「どうも~お疲れ様です!岡崎体育です!」
岡「澤野さん、困ります!みんな歌上手すぎですよ!僕なんかクラスで6番目くらいの歌の上手さですからね!」
と自虐気味にトークする岡崎さん。会場は笑い声が聞こえる和やかなムードに。
ここから岡崎体育のライブの告知で
岡「なんと!これがチケット余っているんですよ~~!!」
21、『膏』(Vo.okazakitaiiku)
本編の最後を飾るのはアルバム『iv』の最後を飾る『膏』疾走感あふれるバンドオケに岡崎さんの伸びやかな歌声が会場に響きます。この楽曲も様々な障害もみんなで乗り越えていこうという明るい世界観に、ぐっと観客を引っ張てゆくパワーがあります。前向きで明るい楽曲に背中を強く押され、こちらも泣きそうになってしまいました。会場もサビでは力強く手をあげて、応えていきます。演奏も終わったと思った瞬間、youtubeでのMVと同じように突如巻き戻し音が
岡「あれ!?巻き戻ってるぞ!?!?」
その瞬間、澤野さんやバンドメンバーも演奏をやめ膏ダンスへ!!ステージは笑いと熱気に包まれました!!パフォーマンスも含め、最高の演奏となりました。
本編は終わりましたが、ここからEncoreパートへ。拍手の渦のなか、しばらくすると澤野さんが一人でステージへ
MC
澤「アンコールありがとうございます」
澤「ここで告知タイムです。」
澤「12月の何日でしたっけ?ピアノソロアルバムが出ます!」
澤「多分3曲くらい聴くと眠くなりますので、曲数も多いので、1週間くらい毎日楽しめます!」とのこと。
澤「ようやくみんなの前で演奏できる曲をやります!」
Encore1、『BELONG』(Vo.Yosh)
D-Durの明るい雰囲気にYoshさんの伸びやかな歌声が会場に響き渡ります。会場のファンのみんなからも、この曲を待っていた!!という雰囲気が伝わってきました。澤野さんの活動15周年を祝う序章として発表され、コロナ禍やメンバーの突然の死を乗り越え、ようやく披露されたこの楽曲。Yoshさんの圧倒的な歌声と様々な想いが錯綜する熱い瞬間を感じ取ることができました。
Encore2、『REMEMBER』(Vo.mizuki、naNami、Yosh、Tielle、Gemie、Laco)
ライブではすっかり定番となった『REMEMBER』。今回はほぼオリジナルのボーカリスト+Lacoさんというスペシャル編成で。サビでは大きく手を左右に振って会場が一体となります。最後のサビはライブ版ならではの拡大版!振っている腕がだんだん痛くなってきますが、そんなのはお構いなしに振り続けます。ようやくライブに参加できた感謝と次回のライブへの希望を胸にこの瞬間を目に焼き付けました。
そして、最後はボーカリスト達が澤野さんを見守るようにフィニッシュしました。
会場は割れんばかりの大きな拍手。熱狂と興奮に包まれます。そしてAnlyさんと岡崎さんを呼んで大団円…と思ったら膏ダンスをみんなでやりませんか?という流れに
岡崎さんが『膏』の振り付けを会場にレクチャーしていました。
そして、youtubeMV版の巻き戻しシーンから始まる『膏』。ステージの全員、会場も一体となって膏ダンスが始まりました。コロナ禍で声は出せない昨今ですが、このダンスのおかげでステージも会場も大きな一体感を感じました。
次回のライブでは大きな声を出せることを夢見ながら、最高のライブが終わりました。最後は澤野さん一人がステージに残り、深々と礼。
鳴りやまない拍手は会場が明るくなっても続いていました。
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