寄稿者:むじ井戸【-30k】(@Musiksasanqua18) 様
※この記事は寄稿者の主観を多分に含んでおります。ご了承ください。
入場〜開演まで
2021年2月13/14日、立川。
2月とは思えない温暖な気候、そして澤野さんのライブ当日とは思えない青天でした。
会場である立川ステージガーデンまでは立川駅北口を出てサンサンロードを歩くこと10分少々、
青空のもと、広々としたサンサンロードを歩くだけでとても気持ち良いお散歩をしている気分。
感染症対策のための事前アンケートを提示し、入場。指定席であるため入場する人も分散し、混雑することもなくスムーズに入場できました。
会場内は天井が高く、フラットな座席。一番うしろからでもさほどステージを遠く感じません。
座席は小さめで体を動かすと椅子も動いてしまうような作りでしたが、1席空けであるため小ささを感じることはありません。
待機中の観客の私語などはなく、そしていつもはある客入れのBGMも今回はなかったためとにかく静か。
楽器の配置は左からドラム・ギター(飯室さん)・ピアノ・ギター(バッキーさん)・ベース・右端に相澤さん。
前の列に左からホルン・ヴァイオリン・チェロ・シンセサイザー。
静かなうちに澤野さん以外の奏者の皆さんが入場され、OPアクトである「Ashes on The Fire」(KOHTA YAMAMOTOさん作曲)の演奏が開始。
緊迫感を煽る音色に一気に場の空気は引き締まりました。
YAMAMOTOさんによる短い挨拶のあと、奏者はいったん退場。
そしていよいよ開演5分ほど前に流れたアナウンスは、なんと声優の梶裕貴さんのお声!
声には出せずとも、心の中のどよめきが観客の間を駆け抜けます。
澤野さんの友人、1ファンとしてのアナウンスの中で、
「澤野弘之は音楽の神なのだから!」の名言も生まれました。
そしていよいよ開演。奏者は左右から、澤野さんは舞台中央の後ろの幕から現れました。
そして奏でられるは澤野さんによるピアノアドリブソロ。
久しぶりにライブで聴く澤野さんの音が、ピアノソロであったことに歓喜したファンも多かったことでしょう。
feat. Tetsuro Araki・第一部
そして「feat. Tetsuro Araki」では、まず「ギルティクラウン」から始まりました。
チェロやホルンを絡めた演奏は初めてとなる「Hill Of Sorrow」、まさかの後半でボーカルが入る構成として新たに生まれ変わった「κr0nё」など、emUならではの名シーンが続々と誕生しました。
曲と曲の間はシンセサイザーを中心に各楽器のアドリブ的演奏でブリッジされ、拍手を挟む余裕がないまま次の曲が始まってしまいます。
2つ目の作品は「甲鉄城のカバネリ」。メインテーマや「Grenzlinie」の圧倒的開放感に包まれたサウンド。そして配信のコメント欄で「農協のパン」との呼称が発明された「JAnoPAN」の演奏は許されるときがきたならば拳を突き上げてノリたいものでした!
また、演奏とともに照明や曲によっては映像も効果的に使用され、パフォーマンスへの没入感を高めていました。
インターミッション
2作品の演奏が終わったあと、インターミッションでは荒木監督・梶裕貴さんのコメント動画が流れました。
荒木監督:
澤野さんの印象として、人物は「飄々としている・腰が低い」音楽は「重厚感がある・ドラマチック・感情が溢れ出す」、そのギャップに「ビビった」。
一緒に過ごしていくうちに「優しさなんだな」「偉ぶったっていいのに、固くしないために楽しい感じにしてくれている」とわかってきて、尊敬しているとのこと。
◯挙げた曲
・βios、ətˈæk 0N tάɪtn、army⇒G♂、AoTs3-3spens/21石、BARRIchestra、KABANERIOFTHEIRONFORTRESS
梶裕貴さん
澤野さんの印象は「神」。
名前を把握する前から「なんだこの曲は」との衝撃。その後仕事で一緒になって。プライベートでもお付き合いする中で、全部含めて「神」。
凡人が話しかけても良いのか、と思っていたら澤野さんも「僕も声優さんに話しかけていいのか」と思っていた。
◯挙げた曲:βios、ətˈæk 0N tάɪtn、Perfect Time
feat. Tetsuro Araki・第二部
そして第二部では満を持して「進撃の巨人」の楽曲。
組曲にある曲以外にもライブの定番「army⇒G♂」、YAMANAIAMEのmpi&Gemieさんver.などこれまで進撃の巨人を彩ってきた曲が演奏されました。
そして「ətˈæk 0N tάɪtn <WMId>」の熱いパフォーマンスが終わったあと、ようやくのMCタイム。
ivの発売、春から放送の作品、アニプレックス作品のサブスク配信開始、WOWOWでの本公演の放送など、告知もてんこ盛りなため早口で話し続けたあと、日曜の昼公演では、
「どうでもいい話していいですか」と切り出し、
「昨夜泊まったホテルで、総支配人みたいな人に”澤野さんですよね”と言われて、そういう体験が初めてだったのにテンパってしまった。そのことに動転して、エレベーターに乗ってから階数を忘れてしまった。といううちに再びエレベーターの扉が開きそこにはまだ総支配人みたいな人がいた。”あーあーー!!”ってなって”じゃんがじゃんが”ってできたらよかったけどできなくて。Lacoさんいたらやってくれたかも。やっと”階数忘れちゃったんですぅ”って言えて聞きに行ってくれた。」
「入ってからもどこが扉なのかわからなくて、冷蔵庫探してて10秒くらいこれかな?と思って触ってたのはただの板で、次これかな?と思ったらゴミ箱だった。イケてるホテルなのにイケてないことしてた。」
大笑いはできないぶん、おおいに拍手が沸き起こった一幕でした。
そして「feat. Tetsuro Araki」はその名に相応しく、「ThanksAT」のしっとりとした演奏で幕を閉じたのでした。
日曜夜公演
日曜夜公演では、未CD化のキングダムのメインテーマの初演奏や、キルラキル〜プロメアのfeat.今石洋之監督などこちらも魅力的なセットリストが展開される中、最初と最後を飾った「機動戦士ガンダムUC」と「医龍」には度肝を抜かれた観客もさぞ多かったことでしょう。ガンダム曲の演奏は驚きでしたし、「BLUE DRAGON」に関しては直前のMCで「今日はアニメを中心に〜」と澤野さんが仰っていたことからまさかドラマから選曲されるのは想定外でした。
またこの回のMCでは、バッキーさんの紹介で、飯室さんと言いかけてしまうこともありました。(その前に飯室さんの紹介をしていたため)
終演20時厳守と言われていたのか、これまでで最高レベルの早口で告知などを済ませていきました。
そして大団円の拍手の中、社会の窓が閉まっていたことを確認して去っていく澤野さんなのでした。
このたいへんな状況の中で、澤野さん、バンドメンバー、スタッフ、ライブの開催に尽力してくださった全ての方に大きな感謝を。ほんとうに楽しいライブでした。
そして、次は、以前のライブのような、澤野さんのどうでもいい話が長々とあったり、みんなで最後に合唱して終われる、そんなライブがまたできる日が戻ってきますように。
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